「悠悠閑閑」

 

読み方

ゆうゆうかんかん

 

意味

ゆったりして気長に構え、のんびりするさま。「悠悠」は落ち着いたさま。のんびりしたさま。「閑閑」は静かで落ち着いたさま。「悠悠緩緩」「優優閑閑」「優優簡簡」とも書く。

 

出典

『淮南子えなんじ』時則訓じそくくん

 

句例

悠々閑々たる余生を送る

 

 

養力センター午後の一コマです。職員とご利用者が連れ立って散歩に降りてこられました。

午前中、ご利用者の一人が、「家に帰りたい」と涙を流されたそうです。

 

認知症のあるご利用者の場合、午後には、「家に帰りたい」と涙を流したことを忘れてしまうことがあります。同じように、大切にしている家族が面会に来てくれたことを忘れてしまうこともあります。

 

認知症による記憶障害は体験そのものが抜け落ちる悪性の物忘れと表現されますが、そのときに抱いた感情は相当時間続く、とも言われています。(感情残像の法則などと言われます)

認知症のために忘れてしまう体験にも意味がある、と考えることができます。

 

家に帰りたいと涙を流したマイナスの感情を、散歩に来て楽しい時間が過ごせたというプラスの感情で上書きしようとしてくれたようです。

このような小さな積み重ねが明日の認知症ケアに繋がるのだと信じています。

(老人保健施設 清華苑養力センター Y.O)